【予約受付中
関連項目:
】【小説】筺底のエルピス(8) -我らの戦い-
終わらせてなるものか――。殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれる脅威と戦ってきた三つの組織は、月の知性体《一二〇》からの電子的侵攻を一時的に封じ、ワームホールゲートの管理権限を失う危機を土壇場で回避した。それでも世界は、依然として崖っぷちにあった。百刈燈をはじめとする三名の依代が再び肉体を乗っ取られるまで、およそ五十日しか残されていないうえ、白鬼を宿した朋之浦結を奪取すべく、《一二〇》が地上侵攻してくる可能性すら高いのだ。状況を打破する唯一の道は、白鬼の所在を秘匿したうえで、時間切れまでに《一二〇》との和睦を果たすことのみ。
月を目指すロケットが突貫工事で準備され、少女たちが夜空の逃避行を続けるなか、ゲート組織たる《門部》、《ゲオルギウス会》、《I》にて可能な限りの準備と再編が進み、かつて敵だった者まで含め、戦力が続々と集結していく。そんな彼らの前に圧倒的絶望の光景が立ちはだかるとき、集った”我ら”は、いかに戦い抜くのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終焉に立ち向かう、一致団結の第8弾。