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】【小説】異世界落語(10)
一福がついに真打へ! 剣でも魔法でもなく、一席の落語が王国の未来を揺さぶる。そして王城へ殴り込んで披露した大ネタとは?
長きにわたり敵対してきたサイトピアとマドカピア。
その根底には、かつてサイトピア王族が生み出した「マドカピアンを嫌う呪い」があった。
招笑亭で同じ落語を聞き、共に笑うことで呪いが緩和されることを知ったサブリミナルは、
完全解呪の方法を思いつく。
両国の王族の血を引くクランエを噺家にし、
世界中を巡って落語を披露させる「救世主ラクゴキャラバン」だ。
だが計画には二つの問題があった。
クランエ本人が心から噺家になりたいと思うこと。
そして一福が、弟子を取る覚悟を決めること。
一福は真打になる直前に異世界へ召喚され、兄弟子の死と「一福」の名を背負った過去にも、
まだ決着をつけ切れていなかった。
そんな一福を支えるアヤメ。
彼女の秘術で魂だけ故郷へ戻った一福は、師匠・楽々亭七福と再会し、
過去を見つめ直す。
さらにアヤメとの未来も決め、ついに真打、そして師匠となる。
一方、クランエも一福の落語に惹かれ、自ら弟子入りを志願。
「楽々亭楽々」の名を授かり、見習い、前座、稽古、初高座と噺家への道を歩み始める。
ぎこちなくも懸命に客を笑わせる楽々。
その落語はついに、数百年間誰にも解けなかった呪いを一人、また一人と解き始めた。
しかし完全解呪を恐れるサイトピア側は、楽々の身柄を狙う。
そこで一福が見せたのは「師匠」の顔だった。
「邪魔をすんじゃねえ、俺の弟子の」
仲間を率いて王城へ乗り込み、王の間を高座に変えて披露する大ネタとは?
剣でも魔法でもなく、一席の落語が王と預言師の心を揺さぶり、国の方針さえ変えていく――。
