【予約受付中】【小説】察知されない最強職(ルール・ブレイカー)(16)
ドワーフの国が大混乱! 隠密少年の最終手段とは? 歴史が変わる瞬間を目撃せよ! コミックも大好評な大人気ファンタジー!鍛冶と酒を好むドワーフたちの国「刻冶鐵国」。
ヒカルは国宝であるという「真祖の盾」をドワーフに返還するために
やってきたのだが、国中が混乱のさなかにあった。
ドワーフにとって神にも等しい存在であるブリギッドは芸と技を司る存在であり、
はるか昔にあらゆる金属を鍛錬する「真祖の炉」をドワーフにもたらし、
ドワーフはこれを元に刻冶鐵国を開国したのだった。
ブリギッドは千年以上を経て今なお実在しており、
時にドワーフたちを導いていたのだが、ある日「真祖の炉」の炎を
「ドワーフ12氏族のうち1氏族にだけ与える」というメッセージを発したため、
勢力争いの種となった。
さらに混乱に拍車を掛けたのが彼らを襲った大災害だった。
突如ドワーフの国「刻冶鐵国」を襲った大地震。
生まれ故郷の刻冶鐵国を訪れたドドンノ、ドドロノ兄弟の身を案じていたヒカルは、
国内に入ってふたりを救い出そうとするが、
国中が想像以上の混乱に陥っていた。
ドワーフたち12氏族は疑心暗鬼になり、
大地震が起きたにもかかわらず武器を納めることなく私兵を展開して争っている。
ドワーフにとっては、それほどまでにブリギッドにもたらされた
「真祖の炉」は重要なのだが、大きな災害に遭って
生命の危険が迫っていても氏族間で「炉の火」を巡って勢力争いを
していることに、ヒカルは違和感を覚える。
案じていたドドロノたちは無事だった。
実は、彼らは有力氏族直系の息子であり父が病で危篤という状態だ。
ヒカルは国の外へ逃げようと提案するが、兄は国に残ると言い、
弟には出国を促している。
なぜここに残らねばならないのか、割り切れない思いを抱くヒカル。
ヒカルは混乱の中心地で、火龍やタリスのような
既存の生物の枠組みを超越している存在であるブリギッドに出会う。
ブリギッドもまたヒカルに、ヒト種族らしからぬ異質さを感じ取っていた。
巨大な存在であるブリギッドと対峙し、
ヒカルはドワーフの国を破壊しようとする元凶と、
ドワーフという種族に根を張った深い問題に直面する。