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】【小説】悪役令嬢について
――人間には知ってはならないことがある。獅子の年、八の月、二十の日。
悪役令嬢と名高き、エイディーア・ドルワーズが公開処刑された。
――――ここに、すべての謎は幕を開ける。断首される舞台へと歩を進めるエイディーアは誤って、死刑執行人見習いの青年・ユーニヒトの足を踏む。
「お許しくださいね。わざとではないのです」
そう言われたユーニヒトは、普段の罪人たちとは違うものを覚えて、エイディーアを注視する。
そうして、首を落とされる最期の瞬間、彼女は「一輪の銀聖花」とつぶやいた。悪逆非道の限りを尽くしたと言われる傾国の悪役令嬢の最期に、強烈な違和感を覚えたユーニヒトは、興味本位から彼女が遺した言葉の真意を知るべく、上司へエイディーアの調査許可を申し出るかを迷うが、偶然にも、身分を明かさないとある人物から彼へエイディーアの調査依頼が出たと告げられる。
ユーニヒトは自身の持つ異能――会話をした相手が、その際に一番強く思い出した記憶を共有できる――を使って、生前のエイディーアと深く関わりのあった人間たちと会い、証言を集めていく。やがて彼は、知ってはならない恐るべき真実へと辿り着く――。